【第1章】戦争と青春
軍国主義の空気が怒涛のごとくこの国を飲み込んだ時代──。伊賀上野に生まれ、家族の愛情を一身に受けて健やかに育った田舎少年は、中学の親友に勧められ、陸軍幼年学校へと人生の舵を切った。帝国陸軍の徹底した教育を心身で受け止めた彼は、しかし、敗戦によって大きく躓き、傷つく。そして戦後、癒やされないままの心の彷徨を経て、多くの友人たちと掛け替えのない出会いを果たし、新たな時代へと、もう一度、舵を切り直す。
[第1部]戦争の時代の田舎少年
- 米屋の息子、「歴史」の真っただ中を行く昭和03(1928)年〜昭和12(1937)年/0歳〜9歳
- 伊賀の里から、陸軍幼年学校をめざして昭和12(1937)年〜昭和17(1942)年/9歳〜14歳
- 田舎少年が登り始めた階梯昭和17(1942)年〜昭和20(1945)年/14歳〜17歳
- 最後の陸軍予科士官学校61期生昭和20(1945)年4月〜8月
[第2部]戦後復興期を生きる
- 土地と心を耕しながら再生へ昭和20(1945)年〜〜昭和22(1947)年/17歳〜19歳
- 晴耕雨読の日々から新たな出発点へ昭和22(1947)年〜昭和23(1948)年/19歳〜20歳
- 自由・バンカラな世界が育む“生涯の友”との出会い昭和23(1948)年〜昭和24(1949)年/20歳〜21歳
- 弾けてしまった大学時代、それも人生の肥やし昭和24(1949)年〜昭和28(1953)年/21歳〜25歳