【第1章】戦争と青春

軍国主義の空気が怒涛のごとくこの国を飲み込んだ時代──。伊賀上野に生まれ、家族の愛情を一身に受けて健やかに育った田舎少年は、中学の親友に勧められ、陸軍幼年学校へと人生の舵を切った。帝国陸軍の徹底した教育を心身で受け止めた彼は、しかし、敗戦によって大きく躓き、傷つく。そして戦後、癒やされないままの心の彷徨を経て、多くの友人たちと掛け替えのない出会いを果たし、新たな時代へと、もう一度、舵を切り直す。


[第1部]戦争の時代の田舎少年

[第2部]戦後復興期を生きる